雪庇の検証001

設計根拠の手がかりとして、雪庇検証をしてみます。
あくまで参考程度の検証として、進めます。

主な作業フロー
①気象庁の過去データより雪庇が成長する日を抽出(←今回はここ)
②計画建物のボリュームと計画地周辺の作成
③Butterflyを用いた気流速度の変化のシミュレーション

※下記参考文献より、前提条件として雪庇は
「風速3m/s以上」「積雪10cm以上」が揃った日に成長するものとします。
http://snow-sabre.koba-archi.com/mechanism.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsse1986/21/5/21_5_317/_pdf

①気象庁の過去データより雪庇が成長する日を抽出

>Step_01
気象庁HPより、計画敷地の「過去の気象データ」の「.csv」をダウンロード
https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php
その際に、表示オプションのタブより
「観測環境などの変化前の値を表示(格納)しない。」「データ表示画面と同様に、数値以外の記号を含む」の項目をチェックします。

>Step_02
データの編集

csvデータを開くと、1年間の日毎のデータが並んでいます。
今回は、積雪期として、11月から3月を使います。

まれに、「かっこ」や「スペース」の入ったデータがあります。正しく抽出出来ないので、一通り確認します。

>Step_03
分析・グラフ化

「sheet2」に各方角からの風向の日数をまとめます。
・冬季の日最多風向では、積雪量や風速によらず、K列の最多風向を用いた方角の回数をカウントします。
 D2の例)
=SUM(COUNTIF(Sheet1!$K$6:$K$95,C2)+COUNTIF(Sheet1!$K$310:$K$370,C2))


・庇が成長する日と風向では、上記参考文献より、「日平均風速3m/s以上」「積雪10cm以上」が揃った日の最大風速の方角の回数をカウントします。
 H2の例)
=SUM(COUNTIFS(Sheet1!$F$6:$F$95,”>=10″,Sheet1!$h$6:$h$95,”>=3.0″,Sheet1!$J$6:$J$95,G2)+COUNTIFS(Sheet1!$F$310:$F$370,”>=10″,Sheet1!$h$310:$h$370,”>=3.0″,Sheet1!$J$310:$J$370,G2))

最後に、グラフ「レーダー」を用いて、回数を可視化して終了です。

今回の地域では、
積雪期の風向は、「南東」「南南東」で30日を超え最多ですが、
庇が成長する日に限定すると「北西」が最多であることがわかります。

次回の積雪検証では、計画建物の形状や計画敷地の周辺環境で、この最多風向の向きが変わるか検証するための準備をしたいと思います。

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